2021年9月1日水曜日

【オリジナル問題が使える!】多言語タイピング練習アプリを公開しました

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2020年9月25日金曜日

【更新】ロシア語・キリル文字タイピングを練習できる"Typing.Cyrillic"を公開しました

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2020年5月17日日曜日

伊藤計劃『ハーモニー』:世界は健康ディストピアへ向かうのか


新型コロナウィルスの感染拡大により、この状況を予期したかのような小説や映画が注目を集めています。小説では、カミュ『ペスト』、小松左京『復活の日』、映画では『コンディション』、『感染列島』などなど。


そんな中で、意外と言及されていないのが、伊藤計劃のSF小説『ハーモニー』です。


『ハーモニー』のあらすじ

『ハーモニー』は、早逝したSF作家の伊藤計劃氏により、2008年に出版された小説です。


あらすじは次のようなものです(筆者によるまとめ)。

 

 舞台は「大災禍(ザ・メイルストロム)」と呼ばれる大混乱を経た21世紀後半。世界はこの混乱を二度と繰り返さないため、住民に健康管理デバイス"WatchMe"を埋め込み、心身の健康状態を「生府」が管理しコントロールする監視社会を構築した。結果、人々から病気は駆逐され、見かけ上の調和がとれた社会が実現した。 

 そんな中、世界中で同時多発的な(この世界ではほぼ起こり得るはずのない)自殺が発生。世界保健機構(WHO)の螺旋監察官として紛争地帯に駐留していた主人公のトァンは、少女時代の友人ミャハとの記憶を足がかりに、この自殺の謎に迫る。

 

「大災禍」は、2019年に北米で発生した暴動をきっかけに核戦争が発生し、その混乱により未知のウィルスが流出するなどし、放射能汚染による病気や感染症が世界的に流行したものとされています。


人々の健康を第一とする「生命主義」が世界を支える思想となり、医療技術は高度に発達し、「大災禍」を繰り返さないためであれば人々も進んで監視社会を受け入れる。健康を害するタバコや酒は禁止。体内に埋め込まれたデバイスWatchMeは、体内の健康を監視するだけでなく、データにより生活様式の提案をする、病原体の侵入を防ぐ、その人の行動履歴から社会評価を記録、また他人の社会評価を表示するなど、健康以外の事柄もすべて制御している。国際機関では、保健機構が絶大な権力を有している。


本作では、こんな世界が描かれています。


起こるはずのない同時多発自殺はなぜ起きたのか、それに対して世界はどう動いたのか、友人ミャハはどう関わっていたのか。世界のハーモニーは保たれるのか。


そのあたりは原作や漫画、映画を見てもらえればと思います。映画はNetflixで観ることができます。筆者は原作を読んだ後に映画を見ました。映画は賛否両論ですが、漫画は評価が高いようですね。

 

 

現在のパンデミック後の世界と『ハーモニー』

『ペスト』や『復活の日』と違い、『ハーモニー』では感染症の流行そのものは描かれていません(「大災禍」も核戦争と病気の複合的な混乱とされている)。本作はどちらかというとパンデミックの「その後」の世界を予見したものといえます。


パンデミックの発生で、各国は感染者の行動追跡や感染予防のための行動制御に血道をあげています。特にもともと監視社会を目指していた国はさらに拍車がかかり、『ハーモニー』に見られる「健康ディストピア」に向かっているとすら思えます。


現在できることは、せいぜい位置情報の記録くらいですが、健康管理デバイスの携帯を義務づけるようなコミュニティ(職場、学校、自治体、あるいは国単位)も出てくるでしょう。


監視社会を描くSF小説は定番であり珍しくありませんが、健康を中心としたディストピア社会を舞台にした作品はそこまで多くはないような気がします。気になる人は、ぜひ読んでみましょう。

2020年4月4日土曜日

Zoom以外のオンライン授業用コミュニケーションツールを比べてみた(Google Meet / Microsoft Teams)

新型コロナウィルスの感染拡大により、世界の教育機関は一斉にオンライン授業への舵を切りました。教育機関で特に利用が増えているのはZoomというサービスです。特に、日本国内の大学などの高等教育機関は、なぜかZoom利用が基本になりつつある雰囲気です。

たしかにZoomはオンライン授業に便利ですが、1つのサービスに利用が集まると問題も出てきます。一昔前のようにアクセス集中で簡単にサーバが落ちることは減りましたが、それでもダウンすることもあります。また、つい最近のニュースにもあったように、セキュリティー上の問題が発生すると、一斉に多くのユーザが影響を受けます。

人気ビデオ会議アプリ「Zoom」が今も抱えるさまざまな問題 | TechCrunch Japan

ということで、Zoom以外にオンライン授業に使えるコミュニケーションツールについてまとめてみました。

オンライン授業に用いるコミュニケーションツールの条件は

まず、なぜ今、みんながオンライン授業のためにZoomを使い出したのか考えてみましょう。それにはいくつか理由があるはずです。

筆者は、オンライン授業に適したコミュニケーションツールには、コスト面をひとまず除くと、次の5つの条件が必要なのではと考えています。

①複数人同士のビデオ通話・チャットができる
 ②ライブストリーミングができる
③コラボレーション機能がある(あるいは外部ツールと連携できる)
④権限管理(閲覧制限)ができる
⑤プライベート用のコミュニケケーションツールと混同しない

一つずつ、背景を見ていきましょう。

①複数人同士のビデオ通話・チャットができる

まず一般にオンライン授業というと、この機能が必須になります。大学の授業ではディスカッションや質疑を取り入れた授業が多いので、ただ授業をビデオ配信ではなく、双方向でコミュニケーションができなければいけません。これはだいたいのツールにあります。

②ライブストリーミングができる

とはいえ、100人を超えるような大人数の講義だと、色々と収拾がつかなくなります。そうした大規模な講義は、Youtube Liveのように、1人から受講者多数に一方的に配信する形式が望まれます。この機能も1つのツール内にあった方が便利です。

③コラボレーション機能がある(あるいは外部ツールと連携できる)

授業資料のシェアや共同編集をすることが多くなります。そういった機能が、コミュニケーションツール内にあるか、または容易に外部のコラボレーションツールと連携できることが望ましいです。

④権限管理(閲覧制限)ができる

オンライン授業とはいえ、学校外の人に見られては困ります。変質者がオンライン授業に侵入したというニュースもありました。なので、閲覧権限を持った学生だけが参加できるよう管理できる必要があります。

⑤プライベート用のコミュニケケーションツールと混同しない

①〜④だけ見ると、じゃあLineやinstagramでもいいじゃん!てなりますが、プライベート用のSNSを授業で使うのは、学生も嫌でしょうし、教員も嫌です。なので授業用は別のツールを用いたいです。

ほかにも望ましい条件はあるでしょうけど、個人的にはこの5つが満たせればいいかなと思っています。そして、これらを満たすツールとして、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsを紹介します。

Zoom



https://zoom.us/jp-jp/education.html

それではまず、いま大本命のZoom。注目が集まっているのは、上の①〜⑤の条件を満たしているからという事があると思います。

①のビデオ通話・チャットはもちろん、基本機能としてあります。ただし無料ユーザは通話時間の上限が40分、参加人数は100人までとなっています。新型コロナウィルスの流行を受けて、教育機関のユーザに対しては40分の上限を一時的に取り除いています。なので、90分の授業をZoomでやっても大丈夫なわけです。

②のストリーミングは、「ウェビナー」という機能として備わっています。これは有料プランでないと使えません。

③コラボレーション機能は、Zoomはそこまで強くはありません。ファイル転送ができるくらいで、ファイル共有や共同編集となると、Dropboxなど別のサービスと連携することになります。

④権限管理も、大丈夫です。授業にパスワードをかければ、リンクを知っていても忍び込むことはできません。

⑤プライベートツールとの兼ね合いも、ZoomをLineのように友人と家族とのやりとりで使うことは、まずないと思います。

Zoomの最近の躍進は、こういった条件が満たされていることのほかに、Zoomはコロナウィルスの問題が出る前から、教育関係者の中で流行り始めていたことも大きかったと思います。

2019年の夏ころだったか、自分でSkypeの設定もできなかったような大学教員がZoomで打ち合わせをしていて驚いたことを覚えています。

Google Meet


https://gsuite.google.co.jp/intl/ja/products/meet/

次に、Googleの提供する"Meet"です。これは、G suite Educationなど、Gmailを使うサービスを組織で契約している場合に使えるサービスです。2020年7月1日までは、どのような契約プランでも無料で使えるようになりました。

G suiteの大きな特徴としては、ウェブブラウザだけで全て完結するということです。ZoomやTeamsはデスクトップソフトのダウンロードが必要か、あった方が便利です。
①ビデオ通話も、ブラウザ(またはスマホアプリ)上で行います。Chrome以外のブラウザでも多くの場合は対応しています。ブラウザではなく電話やビデオ会議専用のPolycomなどを通じての参加もできるようです。参加人数は250人まで。

②のストリーミングは、なんと10万人まで視聴が可能なようです。まあ10万人の視聴する講義なんて無いと思うので、この数は無視していいですが、ともかく大人数への配信も問題ないということです。またこの機能は、管理者の設定次第では使えないこともあるようです。

③コラボレーション機能は、Meetの画面上では直接使えるものはあまりありません。基本的にはGoogleの提供する様々なサービス(ドライブ、Classroomなど)を併用します。
④権限管理も、招待制にできるので、大丈夫です。組織のアカウントを持っていなくても参加できるような設定(リンク発行で参加)も可能です。

⑤プライベートとの兼ね合いも大丈夫ですが、個人でgmailアカウントを持っている人も多いので、利用するときに学校アカウントと間違えて個人アカウントでログインしており参加できないというトラブルも想像されます。

Chromebookを全学生に配布しているなど、Googleべったりな機関はMeetを使えばいいのではと思います。ブラウザだけで完結するよう、作りはかなりシンプルで、動作は軽快です。

ただGoogleにありがちな、ヘルプやチュートリアルが不親切な面があるので、最初はとっつきづらいかもしれません。

Microsoft Teams


https://www.microsoft.com/ja-jp/education/products/teams

最後にMicrosoft Teamsです。これはOffice 365の機能の1つであり、Office365 Educationを契約している教育機関で使うことができます。契約プランによっては含まれていない場合もあります。およそ3年前に開始されたサービスで、チャットツールSlackの対抗馬としてまさに売り出し中のサービスです。

①ビデオ通話は、ブラウザとデスクトップソフト、スマホアプリいずれでもできます。ビデオ通話の最大参加人数は、Meetと同じ250人。

②ストリーミングは、「ライブイベント」機能として使うことができます。Teamsの場合は視聴者1万人までらしいですが、講義には十分な量ですね。

③コラボレーション機能は、おそらくTeamsが一番強いと思われます。ファイル共有にはOnedrive、さらにOffice365のWord, Excel, Powerpoint, OneNoteなどと連携できます。Teamsのデスクトップアプリを設定すれば、その画面上でWordやパワポの共同編集まで一貫してできます。

④権限管理も問題ありません。Teamsでは、「チーム」単位でチャットグループを管理し、その中で通話や配信を行います。なので、最初に講義のグループを作ってしまえば、次に授業を行うときもアクセスが簡単です。

⑤プライベートとの切り分けも容易だと思います。Gmailに比べると、microsoftの個人アカウントを使っている学生は少ないはずです。

Office365 Educationを契約している教育機関は多いので、導入ハードルは低いはずです。また、wordやパワポを直接使えるというのは便利です。

一方、これはMicrosoftにありがちですが、多機能なぶん、どうしても動作にもっさり感が出てしまいます。

こういうツールはあまり入門書は出ないのですが、4月下旬に出版されるものもあるようです。

結局、どれがいいのか?

どれが一番かという結論は特にありません。

それぞれの機関で状況が違うので、ケースに応じて使用するツールを決めればいいのかなと思います。

ただ、もともとGoogleのG suiteやMicrosoft Office365を法人契約していて、MeetやTeamsをすぐ使える状態にあるにも関わらず、「みんなが使っているからZoomを使おう!(無料だし)」となりかけている現状には少し違和感を感じます。

筆者はGoogleやMicrosoftの回し者ではありませんが、本当にZoomを必要としているユーザーのためにも、Zoom熱は少し冷まして、他のツールも検討してみてはどうかなと思います。

2019年8月4日日曜日

ウズベキスタンは「次なるベトナム」となるか

(ウズベキスタン・サマルカンドの「Tourist Police」)

アジアで経済が急成長し、日本との関係も活発な国といえば、まずベトナム、マレーシア、インドネシアといった国を挙げる人が多いでしょう。そんな中、もう1つ、ベトナム並…とまではいきませんが、今後経済の成長や日本との交流の活発化が予想される国、「ウズベキスタン」について考察します。

ウズベキスタンとは

ウズベキスタンは中央アジアに位置する国で、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンに囲まれた内陸国です。海に出るためには2つ以上の国を通過しなければならない「二重内陸国」です(二重内陸国は世界に2カ国しか存在しない)。

最近は前田敦子さん主演の映画「旅のおわり世界のはじまり」の舞台にもなり話題を読んでいます。

「旅のおわり世界のはじまり」公式サイト

ウズベキスタンのあたりは地理的に東西を結ぶシルクロードの交易の要塞として栄えた地域で、歴史を勉強した人であれば「サマルカンド」「ティムール朝」などといったキーワードを聞いた人も多いでしょう。この地域では、歴史上、多くの国が勃興していきました。

20世紀に入りロシア革命が起こると、ロシア帝国の支配を受けていたウズベキスタンでも共産党政権が成立し、ソビエト連邦の一共和国としてウズベク・ソビエト社会主義共和国が成立します。その後、1990年代に入るとソ連崩壊に伴い独立し、現在のウズベキスタンとなりました。

独立後のウズベキスタンでは、初代大統領のカリモフ氏が長らく強権的な政権を維持してきましたが、2016年にカリモフ氏の死去に伴い新大統領のミルジョエフ氏に変わると、社会・経済の改革が進められるようになりました。

ウズベキスタンの歴史や概要については、以下の書籍を読むと理解が進みます。


人口増加

ここからが本題です。ウズベキスタンの現状を、ベトナムなど東南アジア諸国と比較しながら考察していきましょう。

まずは人口です。ウズベキスタンは中央アジア諸国の中でも最大の人口規模を有し、現在の人口は約3,200万人(2018年)。ベトナムは9,000万人以上なので多くは見えませんが、マレーシアの人口も約3,200万人と同じくらいです。

 
ウズベキスタンでは人口増加が顕著で、合計特殊出生率は2.46(2016年)。これは、日本で第一次ベビーブームのなごりが残っていた1950年代の水準に近いです。いわゆる「人口ピラミッド」は日本の高度経済成長期のようなピラミッド型になります。なお世界人口基金によると、2050年にはウズベキスタンの人口は4,000万人を突破すると見込まれています。

経済成長

ウズベキスタンのGDP(国内総生産)は433億ドル(2018年)で、世界94位。経済規模は確かにそれほど大きくありません。ウズベキスタンよりも人口が少ない隣国カザフスタンのGDPよりも少ないです。人口規模が同じマレーシアにも到底敵いません。

当然、一人あたりGDPもさほど高くはありませんが、実はちょうどベトナムの一人あたりGDPと同じくらいです。そして一人あたりGDPの推移を時系列で比較すると、ウズベキスタンとベトナムはまさに同じような値を推移してきています。

 
今後、ウズベキスタンとベトナムのどちらが成長のピッチを速めるか、このグラフは見モノと密かに注目しています。

ウズベキスタンの経済で今後注目できるのは「観光」、「工業生産」だと考えています。ウズベキスタンは日本国籍者などの入国ビザを免除するなど観光立国を目指しており、観光客は2018年1~9月期で390万人で、2017年同時期に比べ2倍に増加しました(ジェトロ短信より)。

また、工業生産については、過去記事「ウズベキスタンではなぜシボレー車が多いのかでも紹介したように国内にGM系列、ISUZUなどの自動車工場を抱えています。ベトナムでは日本企業の工場が多数進出していますが、ウズベキスタンでも、中東やアフリカ、ヨーロッパへの供給地として、自動車、繊維などの工場を展開する余地があります。

工業生産の状況については、JETROのレポートが参考になるので、ご覧ください。 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/b1866ca3b26e44f7.html

留学生の増加

次に、留学生の増加について考えます。ベトナムやネパールからの留学生が急増していることは数年前から言われていましたが、2017〜2018年頃から、ウズベキスタン出身の留学生が急増したことが関係者の間では話題になりました。

日本学生支援機構(JASSO)が公開している外国人留学生在籍者数のデータを見ると、ウズベキスタンから大学・大学院への留学生数は383人(2016年)、441人(2017年)ときて、2018年には705人と一気に増加しています。日本語学校への留学者数を合わせた総数は、1,047人(2017年)だったのが、2018年には2,132人を突破しており、日本語学校への留学者数の増加が顕著です。

ベトナム(留学生総数72,354人/2018年)と比べるとまだウズベキスタン出身留学生の割合は少ないですが、タイ(3,962人)やマレーシア(3,094人)と並ぶような日本留学の送り出し国となる可能性があります。

日本語学校への留学は、実質出稼ぎ労働の斡旋をしているような学校の問題もあり、なかなかビザが取りにくくなっていると言われているので、一時的に日本語学校への留学者数は減る可能性もあります。ただ、ウズベキスタン側は海外留学を支援する奨学金基金(El-yurt umidi)を創設するなどしており、日本への留学者数は今後も増え続けるでしょう。

まとめ(将来発生する「ウズベク人問題」に備えて)

ウズベキスタンを、ごく限られた視点ですが東南アジアとの比較で考察してみました。
今後、東南アジア諸国と同様に経済成長し、日本との関係も深まるとなればバラ色の未来があるような感じがしますが、一方で問題も発生してくるでしょう。

例えば、急増したベトナム人やネパール人の技能実習生の問題(受入企業の劣悪な労働環境や失踪)、東京福祉大学の外国人研究生「行方不明」問題などです。こういった外国人労働者、留学生の問題が起こった時に、これまでは中国、ベトナム、ネパールなどの国名が報道ではあがっていましたが、この中に「ウズベキスタン」が加わる日も近いでしょう(なお、ウズベキスタンも技能実習生の送り出し国です)。

実際に、日本に住むウズベキスタン国籍者が、不法滞在や窃盗で逮捕されるニュースもちらほらと聞くようになりました。

またこれはフィクションですが、ウズベキスタン出身の技能実習生らが主要な登場人物となるミステリーが「文芸カドカワ」連載されているようです。ミステリーなので設定上必要だったのかもしれませんが、ベトナム人でもネパール人でもなく、ウズベキスタン人というのが象徴的なような気がします。

移民国家・日本を舞台に新・直木賞作家が放つ壮大なミステリ!【新連載試し読み 真藤順丈「ビヘイビア」】 | カドブン

ウズベキスタンをよく知る人やネットワークのある人は、「かれらは親切でお互いよく助け合うから、日本でも穏やかに暮らすだろう」などとつい思ってしまいがちです。しかし、彼らだけ特別なんてことはありません。いつかどこかの地域で、「ウズベク人問題」が発生する日も来るでしょう。

そんな時に備えて、過去に学び、在日ウズベキスタン人が適切なサポートを受けられる体制ができることを願いますし、筆者もウズベキスタンに縁がある人間の一人として、できることがあれば力を尽くしたいと考えています。

2018年9月30日日曜日

”SDGs”(持続可能な開発目標)を知るためのリンク集

SDGsとは

SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、国連が2030年まで世界各国での達成を目指して掲げている目標リストのことです。

以前はミレニアル開発目標(MDGs)というものがあり、特に開発途上国が達成すべき目標として掲げられていました。MDGsは2015年までの目標であったため、その後継として作られたのがSDGsです。SDGsは、開発途上国だけでなく、先進国も含む各国が達成すべき目標として掲げられていることが大きな違いです。

SDGsは国際機関、各国政府、NGO、教育機関、企業までもが標語として据え、様々な取組を開始しています。

ここでは、SDGsをこれから知ろうとする時に参考になりそうなウェブの情報源を紹介します。

SDGsを知るためのウェブサイト

Sustainable Development Goals website

まずは本家本元、国連による公式ウェブサイト。とりあえず公式情報を見たい時はここを確認しましょう。残念ながら日本語版はありません。

Sustainable Development Goal indicators website

国連統計局によるSDGs関連のデータソースです。進捗状況を数値で見たいときにはこちらでしょう。

SDGs Index & Dashboard

学者らによる報告書を公開しているサイト。毎年発行される"SDG Index and Dashboards report"は、各地のSDGs達成状況についてのかなり詳細なレポートとなっているので、一度は見ておいた方がいいでしょう。

SDGs(持続可能な開発目標)17の目標&169ターゲット個別解説(イマココラボ)

SDGsの17目標とそれぞれの目標に関連するターゲットが日本語で解説されています。17の目標しか書かれていない情報ソースが多い中で、ターゲットまで書かれているのは便利です。

首相官邸 SDGs推進本部

SDGs推進本部は首相官邸に置かれているようです。日本政府のSDGsに関する方針や公式情報を確認したい時はこちらを見るといいでしょう。

Japan SDGs Action Platform(外務省)

日本の外務省が運営するSDGsのページ。首相官邸のページよりは外向けで見やすくなっています。総務省や環境省、JICAなどによるSDGsのページにもここの「関連リンク」から飛べます。

外務省×SDGs Twitter

外務省のSDGs専用のTwitterアカウント。主に日本国内のSDGs関連イベントなどの情報発信がされています。

まとめ

以上、SDGsについて知ることができるリソースを紹介しました。筆者自身もまだまだ勉強中なので、他にいいソースを見つけたら随時更新していきます。

2018年8月20日月曜日

Microsoft Teamsの研究3:Teams無料版は有償版ユーザーも活用できる!

Microsoftが提供するチャットコラボレーションツールの「Teams」は、2018年7月に無料版の提供が始まり、Office365を契約していなくても、誰でも利用できることになりました。

Microsoft、「Slack」対抗の「Teams」を無料で提供開始 日本でも - ITmedia NEWS

この無料版は、無料でTeamsを使いたい新規ユーザーだけではなく、すでに有償版を利用しているユーザーにも活用できる事を紹介します。

※ 関連記事
Zoom以外のオンライン授業用コミュニケーションツールを比べてみた(Google Meet / Microsoft Teams)

2020/4/8 追記
現在、新型コロナウィルスの感染拡大を受けた在宅勤務の増加で、この記事へのアクセス数が増えています。在宅勤務を増やす・また生産性を向上させるため、Teamsの使い方で気になる点があればお問合せフォームかコメント欄からご連絡ください。
可能な限りブログ記事にし、微力ながら在宅勤務の導入・効率化に貢献したく思います。

無料版と有償版の違い

本題へ入る前に、Teams無料版と有償版の違いを確認しましょう。

Microsoftの公式ページを見ると、有償版で利用可能だが無料版では使えない機能は、以下の通りとなっています。


Microsoft Teamsを無料で
  • Exchange によるメール ホスティングと独自のメール ドメイン
  • OneDrive、SharePoint、Planner、Yammer などの Office 365 のサービス
  • ファイル ストレージの容量(無料版:ユーザー 1 人あたり 2 GB と共有ストレージ 10 GB、有償版:ユーザー 1 人あたり 1 TB)
  • あらかじめスケジュールを設定した会議
  • 会議の録画/録音が Microsoft Stream で可能
  • 電話での通話と電話会議(プレミアム版ではアドオンで使用可能)
完全無料のため、月540円〜1,000円以上の有償ユーザーと差があるのは当然ですね。
一方、上記以外の機能は無料版でも全て使えるわけです。チャットは無制限、ユーザーはプレミアム版と同じ300ユーザーまで、個人・チームでのビデオ通話も同じようにできます。

ストレージの容量さえ気にしなければ、無料版でも十分に活用できるものになっています。

有償版ユーザーによる活用:組織外とチームを作る時

さて、本題の有償版ユーザーによる無料版Teams活用の方法に話を移します。

活用できるのは、 組織外の人とチームを作る時 です。

筆者の職場はOffice365 Educationを契約しておりTeamsも使えるのですが、組織外のユーザーを招待することが禁止されています。

これにより、組織外の人とのやりとりは、SkypeやSlackなど他のツールに切り替えねばなりませんでした。この状況が、無料版の登場により解決されそうです。

どういうことかというと、①組織外の人に無料版アカウントを作ってもらい、②自分の組織アカウントを招待してもらう ことで、組織外の人ともTeamsの有償アカウント1つで繋がることができるのです。

以降、簡単に手順を紹介します。

①組織外の人に無料版アカウントを作ってもらう

まずはチームを作りたい組織外の人に、無料版アカウントを作ってもらいます。

Microsoftのページから、「無料でサインアップ」をクリックして、登録します。



こういうWebサービスがはじめての人は、ちょっと戸惑うかもしれません。そんな時には「Skypeの進化版です!」と説明すれば分かってもらえると思います。誰もが知るMicrosoftだし、Slackやチャットワークを使ってもらうよりはハードルが低いはずです。

ブラウザでも使えますが、ソフトをダウンロードしてもらった方が便利なので、PCかタブレット、スマホにソフト(アプリ)をダウンロードするように伝えましょう。

②自分の組織アカウントを招待してもらう

お相手(組織外の人)のセットアップが無事に完了したら、チーム名の右にあるメニュー(・・・マーク)から、「メンバーを追加」を選びます。


そして、対象者(ここでは自分の組織アカウント)を追加してもらいます。



これで、組織外の人に準備してもらうことは終わりました。

③自分のアカウントで、組織を切り替える

招待してもらうと、招待の通知がメールやアプリ上に届いています。まず、それを承認します。


招待を承認すると、右上のアカウントあたりのメニューで、組織が切り替えられるようになっています。そこから、新しい組織に切り替えましょう。


すると、見た目はあまり変わりませんが、新しく作った組織の画面へと切り替わります。

もちろん、今まで有償版で使っていた機能は使えませんし、ストレージも無料版に準じます。

まとめ

Teams無料版を有償版ユーザーが活用する方法を紹介しました。堅い大企業や教育組織の場合、情報漏洩対策などの点から「組織外のユーザーを招待する」権限を無効にしている場合が多いと思われます。

それでも、組織外のユーザーとTeamsでやりとりしたい時はあると思います。そんな時に、この方法は有効ですね。自分も無料のTeamsアカウントを新規作成するという方法もありますが、アカウント切り替えは面倒ですから。

とはいえ、有償版ユーザーからすると、いちいち組織を切り替えなければいかないのが、若干面倒です。このあたり、複数の組織をシームレスに使えるようにできると、使いやすくなるのになと思います。(まあ、組織を間違えてメッセージやファイルを投稿するのを防ぐという面はあるのかも)

ひとまず、無料版の提供は大きな一歩なので、今後の発展を願います。

この辺の本が参考になりそうです。